(死神・2題)
突然ぼくの前に死神が現れた。
「お前はあと一時間後に死ぬ」
そう告げられ消えた。
……………………………。
『思い通りになるものか!』
ぼくはどうせ死を待つだけなら、その前に死んでやろうと屋上から飛び降りた。
激しい衝撃。
地面に叩きつけられた体は死んでいても、意識だけは死なないでいた。
体験したことのない激痛だけに支配されたが、悲鳴をあげる事もできなかった。
死を迎える一時間後まで…。
突然わたしの前に死神が現れた。
「お前はあと一時間後に死ぬ」
そう告げられ消えた。
……………………………。
『どうせ死ぬんだ!』
わたしはこれまで生きてきて理性で抑えられていた、思いつく限りの事をした。
破滅的な事や恥ずかしい事、あんな事やこんな事を時間が来るまで暴れまくった。
警察官にも囲まれている。
全額おろした現金を屋上からばら撒いている所でタイムアップ。
一時間後だ。
……わたしはまだ生きていた。